SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年の国連総会において採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する2030年へ向けた具体的行動指針(17のゴール、169のターゲットから構成)です。
SDGs研究センターは、2020年4月、公共や民間など多様な主体がこの行動指針に基づき、今後どのように実際の行動に移していくべきかについて、さまざまな視点から調査・研究を通じて、課題解決に貢献することを目的に開設されました。
当研究所では、2020年度、まず「SDGs13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」に着目し、気候変動への対応についての調査・研究、情報発信を行いました。
2021年度は、「SDGs14:海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」及び「SDGs15:森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」に着目し、生物多様性についての調査・研究、情報発信を行っています。
また、その他のSDGs項目にも目を向け、国際会議への参加や有識者ネットワークを活用し、関連する情報の収集・発信を行っていく予定です。
当センターは、「国連気候変動枠組条約(UNFCC)」オブザーバーとして、気候変動条約関連会議への参加資格を有しており、気候変動の世界的な潮流に関する調査・研究やネットワーキングを実施しています。
2021年度については、11月に英国グラスゴーで開催予定のCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締結国会議)に職員3名を派遣し、国境炭素税、カーボンクレジット、EUタクソノミー等に係る国際的な議論の動向を注視しつつ、国内における経済産業省を中心とした「経済産業分野におけるトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会」等の議論も踏まえ、気候変動分野に関する情報発信を行います。
昨今、気候変動に続いて注目されている生物多様性に関しては、2022年4~5月に中国昆明で開催予定のCOP15(第15回国連生物多様性条約締結国会議)において、国際的な数値目標が設定される見込みです。当センターにおいては、生物多様性対応支援業務を気候変動対応支援業務と並ぶ柱の一つとして、今後情報提供を行っていく予定です。
近年は人口が大幅に増加し、また、一人当たり資源利用量が拡大していることから、人類は地球が持続的に提供し得る水準を大きく上回る資源を消費するに至っています。資源は消費するものではなく繰り返し利用するもの、新規の資源の投入はむしろ例外的な措置である、という価値観の転換が必要です。当センターにおいては、循環経済調査業務を重要領域の一つとして、今後調査を進める予定です。
ESG投資の「S」で注目が高まるキーワード「ビジネスと人権(BHR)」および「人的資本」は、関わるステークホルダーの幅、およびリスク・機会に対する視点が異なるものの、いずれも投資家から情報開示が求められている点で共通しています。当センターにおいては、日本企業が取り組むべき課題を包括的に整理し、今後の方向性についての情報提供を行っていく予定です。
主に地方自治体においてPFS(Pay for Success)の取組が広がりつつあります。当センターでは、社会インパクト評価チームを創設し、国内外のPFSに係る調査を行いつつ、PFSを初めとした各種施策の社会インパクトの計測に関するアドバイスを実施する予定です。