編集後記 2010年8月号
2010年8月号
「無垢とあらゆる完全の可能性とをもっている子供がたえず生まれてこなかったとしたら、世界はどんなに恐るべきものであったろう。」これは19世紀のイギリスの芸術評論家・ラスキンの言葉です。今月の特別記事「少子社会日本」では、中央大学教授の山田昌弘先生から示唆に富むご指摘を頂きました。本月報平成22年6月号の特別記事「地域の未来と原動力」でも指摘されているように、「恐るべき世界」になるかどうかは、我々自身の行動如何ではないかと思われます。「あらゆるものが一個の全体を織りなしている。一つ一つがたがいに生きてはたらいている。」こちらは18~19世紀のドイツの詩人・ゲーテの言葉です。先日開催されたサッカーのワールドカップの試合を見ると、この言葉が想起されます。そして、このゲーテの言葉は、これからの国づくり(国と地域の関係)にも当てはまるのではないかと思います。今号から、シリーズ「地域問題の新たな視点」の連載が始まります。ご期待ください。