編集後記 2016年11月号

2016年11月号

一般財団法人日本経済研究所(編集部)

米国オバマ大統領への暴言問題など、就任以降何かと物議を醸しだしてきたフィリピンのドゥテルテ大統領が来日しています。ロシアや中国に接近しながら米国を挑発し続けるなど、最近の東アジア外交の舞台において圧倒的な存在感を見せつつあるドゥテルテ氏と安倍首相との首脳会談が注目されます。
フィリピンは経済力ではまだまだ存在感は薄いものの、数年前に一億人を突破した人口はアセアン内でインドネシアに次ぐ規模を有しており、国連推計では2010年代後半には日本を追い抜くことが予想されています。はたしてその頃まで日本は世界第三位の“経済大国”のままでいられるのでしょうか。
今月号の特別記事では、慶應義塾大学の渡邊先生より「国際貿易の政治的構造とTPP の行方」について解説いただいております。世界経済とりわけ東アジアでのパワーバランスが大きく変わりつつあるなかで、TPP に代表される経済協定なども日本が経済大国として主導権を持っている間に決着しておくべき事項ではないでしょうか。
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