編集後記 2017年2月号
2017年2月号
「米国第一主義」を掲げたトランプ新政権がスタートしました。ドナルド・トランプ新大統領は就任早々にTPP やオバマケアなど前政権が手掛けてきた重要政策を悉く廃止する方針を打ち出すなど、選挙中に見られたパフォーマンスと同様に大鉈を振り回す姿が大きく報道されていますが、外交面・内政面ともに未だ具体的な対策・代案が示されないなど、依然としてその政策はヴェールに包まれています。
今月号の特別記事では、慶應義塾大学の鶴光太郎先生より技術革新による新たな機械化と労働の補完性を中心に、これからの時代に求められる人材育成のあり方についても解説いただいております。今後もAI の進化によって機械はどんどん人間の能力に近づくとしても、そのことを人間がどこまで評価するのかが技術的失業を食い止めるポイントになるとも指摘されています。
また、今月号の特別研究「アベノミクス『新三本の矢』」では、「一億総活躍時代の実現」に向けた男女共同参画等に関連して、諸外国との比較による「家庭・職場環境と労働供給の関係」について論じていただいております。女性の継続就業を阻む要素として、出産・介護だけでなく介護による休業ついても指摘している点で、私たちが今後の働き方を考えるうえで示唆に富む報告となっています。
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