編集後記 2018年10月号

2018年10月号

一般財団法人日本経済研究所(編集部)

先日、福井県の名勝「三方五湖」のひとつ水月湖畔に9月15日にオープンした「年縞博物館」を訪れました。「年縞」とは、湖底にプランクトンの死骸や黄砂等が堆積した縞模様の泥で、水月湖の年縞は実に45メートル、7万年分が堆積しています。年縞を解析することで過去の気候変動や火山噴火等の自然災害の歴史を知ることができ、水月湖年縞は化石年代を特定する放射性炭素年代測定に用いられる「世界標準のものさし」にも認定されています。博物館に隣接した立命館大学古気候学研究センターのラボでは、年縞内に残った直径数十マイクロメートルの花粉化石の分析により、過去の気候変動を解明するプロジェクトが地道にかつ着実に進行しています。
今月の特別記事では、星薬科大学の塩田清二先生より急速に高齢化が進む日本が直面する最重要課題のひとつでもある認知症予防に関する先端医療と関連ビジネスについて解説いただいております。その他、今月号では「World View(上海、NY)」の2本立てに加えて、「中国の自動車市場(DBJ 産業調査部)」や自主調査「日本の酒類のグローバル化」等、海外におけるさまざまな産業動向など国際的なテーマに関する寄稿を数多く掲載しておりますので、あわせてお読みいただけると幸いです。
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