編集後記 2018年12月号
2018年12月号
先週末パリでの「博覧会国際事務局総会」にて、2025年の大阪万博開催が決定しました。前回、大阪で開催されたアジア地域初の万博から実に55年振りに、2度目の大阪開催がもたらす経済効果(政府見込み:来場者数2800万人、全国への波及効果1.9兆円)には、「オールジャパン」体制で誘致に取り組んできた政府、地元自治体に加えて、東京一極集中による地盤沈下を懸念していた関西財界からも、文字通り「夢を再び」の期待が寄せられています。会場予定地の臨海部人工島「夢洲(ゆめしま)」には、カジノを含む統合型リゾート(IR)整備も計画されていますが、万博とあわせて日本が世界にどのような「いのち輝く未来社会のデザイン」を示せるかが試されます。
今月の特別記事では、東京大学大学院福田慎一先生より、「検証アベノミクス『新三本の矢』」と題して、成長戦略による日本経済の構造改革への期待と課題について詳しく解説いただいております。来年10月の消費税増税に向けて、経済財政運営面で新たなステージを迎える安倍政権の経済政策に関して一度整理をしておく意味でも、今年6月に東京大学出版会より出版された同タイトルの書籍も一読されることをお勧めいたします。また、福田先生主宰の「下村プロジェクト研究会」のシリーズ「技術進歩と日本経済」についても、今月号では弊財団の鍋山チーフエコノミストが「50年先を見据えた日本の産業の成長領域」について執筆しておりますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
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