編集後記 2019年3月号

2019年3月号

一般財団法人日本経済研究所(編集部)

2月上旬、今季初の積雪で首都圏各地の交通機関が混乱するなか、相模原市で開催されたシンポジウムにコーディネーターとして参加しました。テーマは「私たちが創る未来~高校生に学ぶ二つのまち物語り~」。高校生が地域への理解を深め、地域での生き方を考え、郷土愛を育み、地域活性化や地域社会に貢献できる人財を育成するプログラムの「地域人教育」を実践してきた長野県飯田市の飯田OIDE長姫高等学校の生徒たちからの3年間のカリキュラムのもとで実践してきた地域課題解決に向けた活動報告に加えて、相模原市の高校生たちとも意見交換を行いました。これまで部活や受験勉強一色で地域と関わる機会が少なかった高校生に、進学・就職で地域を離れる前に故郷のことを学び自ら行動する機会を提供するこの試みは、地方創生に向けた担い手育成のモデル事業として注目が集まっています。
今月号の特別記事では、立命館大学古気候学研究センターの中川毅先生より、地質学の観点からみた過去の気候変動の検証と未来予測モデルについて、福井県若狭町の水月湖の湖底に堆積した地層に関する長年の研究成果が「地質学の世界基準」に認定されたエピソードも交えながらわかりやすく解説いただいております。この他にも、弊財団の技術事業化支援センターからの「SDGs 時代のスマートシティ」に関するセミナー報告や、地域未来研究センターの「ふるさと納税とクラウドファンディングの活用」など、現在のわが国が直面している重要課題について、具体的な事例分析を含めたリポートを掲載しておりますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
今後も会員サービスの向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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