編集後記 2020年4月号
2020年4月号
今月号の特集を編集するなかで、オイゲン・ヘリゲル著「弓と禅」を久々に思い出しました。昭和初期、ドイツ人哲学者であるヘリゲルが、日本で哲学を教える傍ら、「弓道」の修行を通じて「無」の心境を体得するまでの苦難や葛藤を描いた本です。私が高校の弓道部に所属していた頃、弓道を理解したいとの思いで、背伸びをしてこの本に手を伸ばしたのですが、原文がドイツ語で日本語訳はやや難しい表現や文章となっており、読破できなかった記憶があります。海外では日本文化の紹介者として知られているヘリゲルの書は、海外の著名人にも人気があるそうです。ちなみに、「弓と禅」英語版には、金沢出身の哲学者・鈴木大拙が序文を寄せています。この原書の新訳版が2015年に発行されていることがわかりました。改めて、この本に挑戦してみようと思います。
本年度も、今月号の「文化×スポーツ」をはじめ、「SDGs」や「地方創生」等の特集号を企画しております。
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