編集後記 2021年10月号

2021年10月号

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)

私が10年程前に旅したスウェーデンでは、街なかを行き交うベビーカーを押しているのは殆ど男性でした。そこには、男性が子育てに当然のこととして関わり、子育てそのものを楽しんでいる空気感がありました。「イクメン」という言葉があるような日本では、男性の子育てそのものが受動的で、悲壮感漂うイメージさえあります。日本のジェンダーギャップ指数を向上させるためには、こういった意識改革を地道に行っていくことが必要なのかもしれません。
2年前、弊財団主催の東京講演会で、元仙台市長 奥山恵美子氏は「東日本大震災の復興に向けて人と人との関係をつないでいく中心となったのは、女性たちでした」とお話しされました(日経研月報2019年12月号掲載)。災害時に力が発揮できるということは、平時においても地域コミュニティの醸成に女性の力は欠かせないということです。今号の特集で論じられた組織やマネジメントの観点とは異なりますが、こういった観点からも女性が活躍できる場は多様にあるのではないでしょうか。女性が自分の持ちうる力や個性をさまざまな場において発揮できる、より活気のある社会になることを期待してやみません。
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著者プロフィール

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)