編集後記 2021年2月号

2021年2月号

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)

1月7日に発表された「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」により、私の住む地域の保育園では約半年ぶりに緊急レベルが引き上げられました。主な変更点は、緊急事態措置期間にあたる約一か月間、登園率を60~80%に抑える縮小保育として運営するというもので、園はこの条件を満たすため、保護者に対し登園抑制の努力義務を課す位置付けとなっています。しかし、園関係者や園児にコロナ感染者が1名でも出れば、この登園基準は一気に崩壊し、状況によっては休園措置が取られることになります。昨年春、一度目の緊急事態宣言により、保育園が約一か月間休園となりました。今保護者の間では、あの時に直面した苦労を二度と起こすまいとする同心協力の雰囲気に包まれていて、「ともに乗り越えよう」という気合を込めた思いをマスク越しに確かめ合っているかのようです。このまま有事が起こらずあたたかい春が来て、コロナ前の日常に一日も早く戻ることを願うばかりです。保育園に関して、本号では、保育園等における事故防止の観点から調査した原稿(「保育所等における事故防止対策の実施状況等に関する調査研究」)を掲載しています。園や保育士さんのコロナに対する陰の努力も垣間見ることができますので、ぜひお読みください。
本特集号は、今年度8度目となります。これからも編集長とともに、地域や文化、スポーツ等のテーマを設定して特集化していきたいと考えております。3月号は「レジリエンス特集」を予定しておりますので、ご期待ください。今後も賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

著者プロフィール

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)