編集後記 2021年8月号

2021年8月号

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)

コロナ禍における子どものストレスは上昇傾向にあります。国立成育医療研究センターの子ども(小学生~高校生)を対象にした調査によると、「すぐにイライラしてしまう」、「最近集中できない」など、何らかのストレスを感じている子どもは全体の70%に上っているようです。長期にわたる影響により、ストレスが積もり心や体に変化が生じていることが原因としています。自粛生活が続き、宿泊学習、修学旅行、運動会、遠足…等の学校行事が中止や縮小される状況においては、当然のことだと思います。
コロナ禍で揺れるなか、迎える二度目の夏。東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い祝日が移動するなど、例年とはさまざまな違いのあるお盆休みとなります。会いたい人と会いたいときに会えない、という状況がすでに1年以上続いていますが、ワクチン接種が進むなど、昨年夏よりも感染や発症のリスクを下げる要因が出てきています。しかし足元では、全国的に感染が再拡大しているので油断はできません。引き続き感染対策をしながら、今年こそは、子どもたちにとって出来る限りの思い出づくりができて、いい記憶として残る夏休みになることを切に願います。
今号では特集寄稿として、経済や産業の各分野の有識者の方にコロナ禍の現況とポストコロナの未来像についてご示唆いただきました。
家計の切り口による経済分析から、私たちのライフスタイルやこれからの働き方はどうなるのか、さらにポストコロナの民生社会やグローバル経済をどう捉えたらいいのか、それぞれの原稿が相互に関連し合うことでひとつの特集号として仕上がっていますので、お読みいただければ幸いです。
次号では、「ヘルスケア特集-ライフサイエンスの現在・未来-」を予定しています。日本のヘルスケア、ライフサイエンスの底上げに資する提言等を含めた原稿を掲載しますので、ぜひご期待ください。これからも、賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

著者プロフィール

饗場 聖子 (あいば せいこ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」副編集長)