編集後記 2022年11月号
2022年11月号
今月号の特集は、「進化するコモンズ」です。弊財団専務理事の酒巻の企画により構成されています。この特集の企画に至った経緯や背景、要旨については、「特集によせて」に書かれていますので、そちらをお読みください。
本特集の一大企画である宇沢先生と宮川先生とのリモート対談は、実は2時間超に及ぶものでした。宇沢先生からは、お父様との思い出に関し、オフレコ指定のエピソードも多くありましたが、できる限りのお話を掲載することに許可していただけました。また、対談の最後に宮川先生からは、“新たな発見や新鮮な学びもあり、学生時代に戻ったような気分でした。”とのコメントをいただきました。聞き手の酒巻も含め、活発なやりとりが終始続き、時には笑いもあり、私にとっても忘れられない貴重な機会となりました。改めまして、先生方には感謝申し上げます。
海外コラム“World View ヨーロッパ発”では、在独ジャーナリストの松田様より、スイス・ローヌ氷河の実態について取材を基にご提供いただきました。気候変動といった本特集に関連するテーマとして、特集枠の次に掲載しております。文調は軽快ですが、内容の意味するところは深刻です。実際に赴かれた現地の情報は、ネットだけでは得られない貴重な情報ですので、特集寄稿とあわせて、こちらもぜひお読みいただければと思います。松田様からの後日談によれば、実は、お住まいのドイツ(カールスルーエ)から電気自動車を利用し、スイスの充電設備事情を調べながらの取材旅行でもあったそうです。大きな都市や高速道路では充電設備を見つけられるものの、それ以外の地域、特に山間部には充電設備が全くないといった事情もあり、ひと苦労されたこともご共有いただけました。今後も松田様からは、こういったヨーロッパにおけるさまざまなお話をご提供いただく予定です。
これからも賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。