編集後記 2022年12月号
2022年12月号
「イノベーション」について、弊誌では、弊財団イノベーション創造センター(旧 技術事業化支援センター)の企画のもと過去3回に亘り特集化しました(「イノベーションの社会実装を俯瞰する(2019.11)」、「最新技術イノベーション特集号(2020.12)」、「人にやさしいスマートシティとは(2021.12)」)。4回目となる今回は、異分野の融合と新価値の創造といった観点からイノベーションを捉えた特集となっております。
巻頭言では、半導体分野の重鎮である九州大学安浦名誉教授よりご寄稿いただきました。大規模集積回路の発展の経緯を振り返り、日本の半導体産業における現在の状況や課題を指摘したうえで、今後、2歩先のイノベーションの鍵となる技術を見つけるためには広い視野と柔軟な発想が必要であるとしています。続く特集寄稿では、イノベーティブな発想を持って音楽と科学の融合にチャレンジする指揮者の西本氏、加えて、音楽人材をビジネスに活かす観点から社会の潜在ニーズに新たな価値を見出す白鳥氏に語っていただきました。さらに、日本の大学におけるイノベーションの取組みとして、新価値創造の新しい方法論を用いて社会課題の解決等に取り組む大阪大学フォーサイト㈱様、産学連携のトップランナーであり、大学発ベンチャーの社会実装や事業化に取り組む東北大学産学連携機構様にご寄稿いただいております。
また、今回からWorld View の新シリーズ「アメリカ発」を連載開始しました。最新のシリコンバレー事情について、現地在住30年の遠藤氏よりレポートいただきます。遠藤氏は、日本の優れた製造技術や製品の輸入販売事業を営まれ、米国の製造業に一貫して携わっておられます。世界の一大製造拠点でもあるシリコンバレーから、日本はどう映るのでしょうか。今後も連載いただきますので、ぜひご期待ください。
これからも賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。