編集後記 2022年5月号 

2022年5月号

青山 竜文 (あおやま たつふみ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」編集長)

今号特集は「医療、介護のあるべき姿」としました。その内容については「特集によせて」に書いておりますので、ここでは少し別の話を書かせていただきます。
本月報では3月号以降、社会課題を意識した特集を幾つか続けてきました。今号で取り上げた医療・介護も社会課題と密接に関連した内容です。私自身が弊財団に着任した頃、専務理事の鍋山徹から「これからのシンクタンクは社会課題に向き合うべきである」というメッセージがあったのですが、そのメッセージを編集部なりに捉えた特集群としてご理解いただければ幸いです。
また今回、故・宇沢弘文氏の長女である占部まり氏からは、「社会的共通資本」の一環として医療を捉える寄稿をいただいています。社会的共通資本は㈱日本政策投資銀行としても非常に関わりの深いテーマです。そして、時同じくして、弊財団専務理事である酒巻弘による「コモンズを巡る旅」という連載が始まりました。この連載でも、コモンズに関する現在・過去の議論を通じ、社会的共通資本のあり方について触れていくことになるでしょう(なお11月頃には「コモンズ」特集を予定しています)。
社会課題への対応や社会的共通資本に関する考察には「単独の事業者では解を見出しにくいテーマに向き合う」という共通項がありますが、こうした論考も当月報の一側面としてご理解ください。ただし特集自体は次号の地方創生号を挟み、7月号から改めて現代の経済などを考察するものに一旦戻ります。
これからも、賛助会員の皆様へのサービス向上を目指して誌面を充実させていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し
上げます。

著者プロフィール

青山 竜文 (あおやま たつふみ)

一般財団法人日本経済研究所(「日経研月報」編集長)