編集後記 2025年2-3月号

2025年2-3月号

松戸 元気 (まつど げんき)

一般財団法人日本経済研究所(『日経研月報』編集長)

2025年4月、いよいよ、「大阪・関西万博」が開幕します。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、約160の国と地域が参加する世界的なビッグイベントです。今号では「2025年大阪・関西万博」を特集し、万博の意義、展示内容や込められた思い、万博を契機とした観光振興などについて取り上げました。
万博協会の小野氏には、万博は日本の課題解決や未来社会の可能性を示し、新たな成長のきっかけを創出する場になると、巻頭言で万博の意義についてご執筆いただきました。また、国内パビリオンから「大阪ヘルスケアパビリオン」(佐久間氏)、民間パビリオンから「電力館 可能性のタマゴたち」(岡田氏)、海外パビリオンから「イタリア 芸術は声明を再生する」(西本氏)、未来社会ショーケースから「Smart Mobility」の一つである空飛ぶクルマ(岩本氏)の他、万博を契機とした観光振興(溝畑氏)、万博の経済効果(宇南山氏)について掲載し、さまざまな観点から万博を掘り下げています。
昨年、自宅近くの図書館で、1970年開催に開催された大阪万博を題材とした絵本を見つけました。その絵本には、あるパビリオンのパンフレットに描かれた「50年後の未来」のビジョンが紹介されていました。そこでは、家事は機械が担い、学校は運動や団体生活を学ぶ場となり、勉強はテレビ放送で行う、天候は自動調節される、さらには農業や漁業は人工的に増産可能になることなどが描かれていました。万博は当時から未来社会を考える場を提供していたと感じます。4月から始まる「大阪・関西万博」では、どのような未来が見えるのか、楽しみにしています。
最後に、今号から「特別研究」の新連載「円安の原因と影響」を開始しました。東京経済大学の小川教授を座長に迎えた研究会の成果を、全10回のシリーズでお届けします。連載終了後には書籍化も予定しておりますので、ぜひご期待ください。

著者プロフィール

松戸 元気 (まつど げんき)

一般財団法人日本経済研究所(『日経研月報』編集長)