編集後記 2025年4-5月号
2025年4-5月号
今回の特集テーマは「地域の未来を拓く」です。多様な視点から地域の可能性や課題に迫る内容となっています。地域活性化を金融の観点から探る取組みをはじめ、地域脱炭素や農村再生、企業スポーツによる地域社会への貢献、PPP の小型化、公民連携、さらにはアイヌ文化と観光など、どれも現代社会が直面する重要なテーマです。執筆者の皆さまがそれぞれの専門性を活かし、深い洞察を提供してくださいました。
寄稿で触れた地域を地図上にプロットしてみると、日本全国がまるで明るく灯されるようなイメージが浮かびます。それぞれの地域で活動する人々の情熱や知恵が、この国を支える一端を担っていることを改めて感じていただけるものと思います。
一方で、編集作業を進めるなか、2011年3月11日に発生した東日本大震災から14年目を迎えたことにも思いを馳せました。震災後、多くの地域で復興に向けた取組みが進められ、そこには地域の人々だけでなく、全国から集まったボランティアの力が大きく寄与してきました。そして、東日本大震災以降、各地で起きた自然災害でもボランティア活動が広がっています。小田切先生は、一人ひとりが地域との関わりを高めていくことを「関わりの階段」として図示されましたが(「特別記事」より)、こういったボランティア活動も、この階段を上るきっかけになるのかもしれません。
新年度が始まるこの季節は出会いや別れがあり、新たな一歩を踏み出す特別な時期です。このような節目に地域の未来について改めて考えてみることは、私たちの暮らしや社会がどのように支えられているのかを見つめ直すきっかけになるかと思います。皆さまも本特集を通じて、地域の可能性を考える機会として頂ければ幸いです。