特別研究 (下村プロジェクト)

シリーズ「高まる地政学的リスクと日本経済」第2回

高まるリスクと財政の持続可能性

2023年4-5月号

山田 潤司 (やまだ じゅんじ)

富山大学経済学部経済学科 准教授

1 はじめに

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2020年には多くの国で政府支出が増大し、政府債務対GDP比も上昇した(図1)。日本の政府債務対GDP比も2019年の236.3%から2020年には259.4%(注1)に上昇した。感染拡大以前から日本の政府債務の水準は高く、人口減少・高齢化が進展することが予測されていたため、これまでも多くの研究が財政の持続可能性を検証してきた。2022年以降は物価上昇への対策と防衛費の増額が必要とされる上に、国債金利にも上昇圧力がかかりつつある。日本財政のリスクが高まってきていると言える中で、財政の持続可能性を改めて検証してみる必要があるだろう。

本稿では2つの切り口から日本の財政状況を分析してみたい。1つ目は学術的な切り口である。過去に日本の財政見通しを推計した研究は、諸外国の存在を考慮しない、日本のみからなる閉鎖経済モデルを用いていた。本分析では海外部門を明示的に取り入れた開放経済モデルによる推計を行うことで、新たな視点から日本の財政状況を分析する。2つ目は社会的意義からの切り口である。イールドカーブ・コントロールによりゼロ%程度で推移してきた10年物国債金利は、緩やかな上昇傾向をたどり、2022年12月20日の変動幅拡大以降は0.5%程度に上昇した。国債金利の水準は財政の持続可能性を大きく左右するためその動向に注目が集まっている。本稿では国債金利が日本の財政に与える影響も追加的に分析する。
まずは日本の財政状況を分析した先行研究を簡単に振り返っておこう。数多くの研究がある中で、ここでは本稿の分析手法に近いものに絞って紹介する。具体的には一般均衡モデルや世代重複(Overlapping generations)(以下、OLG)モデルを用いて日本の財政状況をシミュレーション分析し、2015年以降に発表された研究を振り返ってみる。
Braun and Joines(2015)は一般均衡OLGモデルを用い、現状の政策を維持し徐々に税率を引き上げた場合、2062年には消費税率を42%に引き上げる必要があると指摘している。Miyazawa and Yamada(2015)も一般均衡OLGモデルを構築し、政府試算が想定するように経済が成長した場合でも、2050年代には消費税率を26%に引き上げる必要があると結論付けている。Hansen and İmrohorŏglu(2016)はOLG構造のない標準的な成長モデルを用いているが、現状の政策を維持した場合、消費税あるいは労働所得税を40~60%に引き上げる必要があるという結論に至っている。İmrohorŏglu et al.(2019)は一般均衡構造はないが詳細なミクロデータに基づいたOLG世代会計モデルを構築し、定年を67歳に延長し、年金を10%削減し、医療・介護保険の負担金を20%引き上げ、女性の雇用と賃金が男性並みになり、消費税を15%に引き上げれば政府債務対GDP比が低下するというシミュレーション結果を得ている。Kitao and Mikoshiba(2020)は一般均衡OLGモデルに基づいて、現状の政策を維持した場合2070年には消費税を24%に引き上げる必要があるとしている(注2)。
以上の研究はいずれも財政が持続可能であるために必要な税率を推計している。前提条件やモデルの設定が異なるため必要な税率の上昇幅にはばらつきがあるものの、人口動態変化の影響を受けるため現状から大きく税率を上げる必要があり、日本財政の先行きは厳しいという見通しを示している。しかし、これらの研究は閉鎖経済体系を仮定している点に限界があるといえる。一方で海外部門を組み込んだ開放経済モデルでは諸外国の社会・経済状況によって日本国内の金利や経済成長率が変化してくる。したがって海外からの影響を考慮していない閉鎖経済モデルによる財政見通しの推計は現実経済に対応していない可能性がある。加えて、上記にあげた先行研究のうち最も直近の研究であるKitao and Mikoshiba(2020)でも、コロナの感染拡大以前のデータに基づいた分析となっている。
そこで本稿では、開放経済の一般均衡OLGモデルを構築し、入手可能な直近までのデータを用いて、日本の財政状況の予測・分析を試みる。さらに国債金利の水準が財政状況にどの程度の影響を与えるのかも分析する。多くの国で政府債務の累増が進んでおり、今後は高齢化が進展すると予測されている。世界で最も政府債務が累積し高齢化が進んでいる国の一つである日本の財政状況は多くの人の関心を引いている。新たな視点からの最新の財政見通しを提供することは大きな意義があるだろう。
次の2章では本稿で用いる分析手法を紹介する。3章では2章の分析手法に基づいたシミュレーション分析の結果をまとめ、4章は結論となる。

2 分析手法

前章で述べたように本稿は開放経済の一般均衡OLGモデルを構築し、日本の財政状況の予測・分析を試みることを目的とする。この章では分析手法を説明する。まずは分析手法の全体像を述べた後、モデルの設定や用いるデータを紹介していく。

2.1 分析の枠組み

本稿の分析では前章で挙げた先行研究に倣い、人口や生産性成長率等を外生的に設定したうえで、2021年以降の政府債務の対GDP比の将来値が安定的に推移するような消費税率の将来値を計算する。人口動態や経済全体の生産性等が与えられた時に日本の財政が持続可能であるような税制を模索する試みとなる。
先行研究と大きく異なるのが開放経済体系のモデルを用いる点である。日本とその他の海外部門(Rest of the world)(以下、ROW)の2か国経済を仮定し、2か国一般均衡OLGモデルを分析に用いる。これはMiyazawa and Yamada(2015)で用いた一般均衡OLGモデルを開放経済体系に拡張したものである。ROWは日本の貿易相手上位30か国をまとめたものになっている。財務省「貿易統計」を用い、世界すべての国と地域について2005年から2022年にかけての日本との貿易総額(輸出額と輸入額の和)の合計値を計算し、その上位30か国をROWとした(注3)。
図2にあるように日本とROWでは人口動態や経済成長率が大きく異なる。図2(a)は65歳以上人口が総人口に占める割合を示している。世界で最も高齢化が進む国の一つである日本の65歳以上人口比率は2020年にすでに28.6%であったものが2065年には38.1%に達すると予測されている。それに対しROWの2020年の比率は日本の半分以下の10.8%である。しかし、ROWも欧米諸国や中国の高齢化に引っ張られる形で、2065年には26.4%まで上昇する。図2(b)の出生率は今後日本では横ばい、ROWでは低下が続く。その結果、図2(c)にあるように日本の総人口は減少し続け、ROWの人口も2050年には減少に転じると予測されている。図2(d)の実質GDP成長率は過去の実績値が示されている。ROWの経済成長率は世界金融危機やコロナの感染拡大などにより大きく落ち込んでいる時期があるものの、それらを除けば比較的安定しているようにもみえる。一方で日本の経済成長率は長期的に見れば低下傾向にあるのは明白である。

これら日本と海外部門の経済状況・人口動態の違いを明示的に取り入れて分析を試みることが本稿の主目的のひとつである。閉鎖経済体系のモデルでは日本の人口構成や生産性成長率が日本の財政状況に影響を及ぼすだけであった。それに対し、本研究では、開放経済体系で日本とROWの違いが盛り込まれていることにより、海外の人口動態や生産性が日本の経済成長や金利に影響を及ぼすという新たな経済の波及メカニズムがうまれる。この点が本研究の最大の特徴となる。

2.2 モデル

本稿で用いる2か国OLGモデルでは日本とROWのそれぞれに家計・企業・政府の主体が存在する。家計は20歳で経済活動を始め99歳まで生きるOLG家計である。各歳世代には代表的家計がおり、予算制約のもと生涯効用を最大化するような行動をとる。20歳から64歳までは労働所得を得るが、65歳以降は年金を受け取り、貯蓄を取り崩しながら生活する。各代表的家計は消費と余暇からなる対数型効用関数を持ち、労働投入は内生的に決定される。企業はシンプルなコブ・ダグラス型生産関数を持ち、利潤を最大化するように生産や投資、雇用の水準を決定する。政府は税金をもとにして財政支出を行い、年金制度を運営している。政府債務も発行しており、毎年利払いも発生する。税は消費税、労働所得税、資本所得税の3つからなり、政府の毎期の予算制約を満たすように消費税が調整され、残る2つの税率は変化しないと仮定する。年金制度は日本とROWのいずれも単純な賦課方式であると想定した。労働世代の税引き後の平均所得に純年金所得代替率をかけあわせたものが引退世代の年金受給額となる。国により年金制度は大きく異なっておりこれをモデル化することは難しいが、OECD, Pensions at a Glanceが世界各国の年金所得代替率(注4)を推計しておりこのデータに基づいて分析を行うことができるよう単純な賦課方式を想定した。日本の政府は医療保険制度も運営する。データの制約からROWにおける医療保険制度をモデル化することが難しかったため、本稿ではROWについては医療保険制度を組み込んでいない。労働は日本とROWで固有の要素であるが、資本については国際資本市場の完全性を想定する。したがって金利は、政府債務と資本(Capital)の和である資産の世界全体での需要と供給が一致するように決まる。

2.3 データ

次に分析に用いるデータについて説明する。結果に大きな影響を与える人口動態や生産性のほか、医療支出や税率、年齢別生産性のデータについては出所や構築方法を紹介する。それ以外のデータやパラメータについては出所や値を表1にまとめた。シミュレーション期間は2021年から2200年である。人口関連のデータは日本については2065年まで、ROWについては2100年までの推計値を用い、それ以降の将来仮定値は推計値の最終10年の平均値を用いた。その他の外生変数の値については2005年から入手可能な最新の値までの平均値に固定した。

人口動態:日本の人口データについては、2021年までの値は総務省「人口推計」、それ以降の将来推計値は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」の出生中位・死亡中位推計を用いた。ROWについてはUnited Nations, World Population ProspectsのMedium fertility variant推計を使用した。
生産性:国全体の生産水準は生産性・資本・労働に依存するマクロ生産関数により決定されると想定している。生産性を推計するためには実質GDPや資本、労働、資本労働比率のデータが必要になってくる。これらのデータについてはTotal Economy Databaseより得られるが、資本の数値は報告されていないため、資本にはPenn World TableのCapital stockを用いた。
医療支出:厚生労働省「国民医療費の概況」にある年齢階級別の1人当たり医療費を用いて推計した。年齢別の1人当たり医療費に各歳人口をかけあわせ、そこから計算された総医療費の対GDP比が実際の値と等しくなるように調整し年齢別1人当たり医療費を算出した。この年齢別1人当たり医療費はシミュレーション期間を通じて変化しないものの、各歳人口は将来人口推計に基づいて変化する。そのため高齢化が進展するにつれ日本全体の医療支出は増大していく。
労働・資本所得税率:McDaniel(2011)で報告されている手法に基づきOECD, Revenue Statisticsのデータを使用して日本とROWの税率を計算した。
年齢別労働生産性:Hansen(1993)の方法と厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを用いて日本の年齢別労働生産性を推計した。ROWの年齢別労働生産性を推計することはデータが不足し困難であることから、簡単化のため日本と同様の労働生産性であると仮定した。

3 シミュレーション結果

前章で説明した分析手法を用いたシミュレーションの結果を紹介する。図3に主要な結果をまとめた。

3.1 開放経済と閉鎖経済

まずは開放経済と閉鎖経済での結果を比較してみよう。図3(a)には財政の持続可能性を保つために必要な消費税率が示されている。「(i)開放経済」モデルと「(ii)閉鎖経済」モデルから推計された消費税率は2020年代平均でそれぞれ23.1%と24.0%で、2050年代平均では31.2%と31.8%に上昇する。必要な税率が現状より高くかつさらに上昇していくのは、高齢化と人口減少の影響で増大する年金や医療の支出を賄うためである。閉鎖経済モデルでの推計値は1章で紹介した5つの先行研究において推計された値の範囲内にある。
開放経済で必要な税率は閉鎖経済のそれより低く推計されている。その背景にあるのは主に金利と経済成長の動向である。図3(b)の金利をみると開放経済の方が閉鎖経済より高くなっている。金利は、2章で述べたように、開放経済では国際資本市場において世界全体での資本と労働の比率に依存し決まる。ROWでは日本ほど労働世代の減少が進まないため、労働投入の水準が高めに保たれる。その結果ROWが存在する開放経済体系の方が金利は高くなる。一方で図3(c),(d)にある実質GDP成長率は開放経済の方が高くなっている。これも労働水準が影響しており、労働投入が多くなる開放経済の方が高い経済成長を実現できるためである。開放経済では、閉鎖経済に比して、金利が高水準となり政府債務の利払いが増大するものの、経済成長が促進されるため、結果として財政が持続可能であるために必要な税率は低めに推計される。
上記のように開放経済と閉鎖経済では違いがみられるが、その違いは大きなものではない。必要な税率の差は最大でも1%程度になっている。本分析では国際資本市場の完全性を想定し、日本とROWで制度上の違いも組み込んでいないため、閉鎖経済モデルと開放経済モデルにおける違いは大きくならなかったことが指摘できる。

3.2 生産性成長率の影響

次に生産性成長率の影響をみてみよう。経済全体の生産性上昇は労働や資本の増加と並んで重要な経済成長の源泉であるが、過去の研究(注5)により仮に日本の生産性成長率が劇的に高まったとしても、日本の財政状況を大きく改善するまでの効果はないということが指摘されている。ここでは海外部門の生産性が高まった場合の影響を分析する。3.1節の「(i)開放経済」の分析ではROWの生産性成長率の将来値は2005~2018年の平均値である1.54%と仮定していたが、高めの将来値を想定し2.54%になる場合をシミュレーションしてみる。図3の「(iii)開放経済(高成長)」がその結果である。図3(d)をみると確かにROWの生産性成長率上昇の影響で経済成長率は高まっているものの、図3(a)にあるように日本の財政状況に与える影響は軽微である。開放経済体系で分析したとしても、生産性成長率が財政に与える影響は人口動態に比べると小さいことがわかる。

3.3 金利の影響

最後に金利の影響をみてみよう。3.1節の「(i)開放経済」モデルでは国際資本市場の完全性を仮定し、資産の需要と供給が一致する水準で金利が決定されると考えた。そのため資本の収益率(rate of return on capital)と国債の金利は無差別であった。しかし、1章でふれたように日本では国債金利が金融政策により低く抑えられているため、この2つの乖離が激しい。そこでこの節では資本市場の完全性の仮定を緩め、日本においては資本と国債のリターンに差異があるという設定を導入する。Braun and Joines(2015)に倣い、日本国債の金利が資本の収益性に比べ1.145%低くなるという外生的な金利差を組み込むこととする。その結果が図3の「(iv)開放経済(低金利)」である。図3(a)に示された必要な消費税率は、ベースラインの「(i)開放経済」に比べ、2020年代平均で7.8%、2050年代平均で8.5%低下する。政府債務の利払い負担が軽減されるためで、国債金利の水準により財政見通しは大きく変化することが明らかとなった。

4 結 論

本稿では開放経済モデルによる日本財政の見通しを示した。海外部門の高成長に押し上げられる形で経済成長率が高まるため、閉鎖経済モデルによる推計に比べると、将来の日本財政の先行きは明るくなるという結論を得た。しかし、本稿で用いたモデルによる分析では開放経済と閉鎖経済での結果に大きな差異はなかった。開放経済体系で分析しても、閉鎖経済下で分析を行った先行研究において指摘されているのと同様に、財政を持続可能にするためには生産性の上昇や税・労働制度の抜本的な見直しが必要になると言えるだろう。生産性と金利の影響をみると金利の水準が財政の見通しを大きく左右することも指摘した。構造的な改革を推し進めるとともに国債金利の動向を注視しなければならない。

参考文献

1. Braun, R. A., & Joines, D. H. (2015). The implications of a graying Japan for government policy. Journal of Economic Dynamics and Control, 57, 1-23.
2. Hansen, G. D. (1993). The cyclical and secular behaviour of the labour input: Comparing efficiency units and hours worked. Journal of Applied Econometrics, 8(1), 71-80.
3. Hansen, G. D., & İmrohoroğlu, S. (2016). Fiscal reform and government debt in Japan: A neoclassical perspective. Review of Economic Dynamics, 21, 201-224.
4. İmrohoroğlu, S., Kitao, S., & Yamada, T. (2019). Fiscal sustainability in Japan: What to tackle? The Journal of the Economics of Ageing, 14, 100205.
5. İmrohoroğlu, S., & Sudo, N. (2011). Will a Growth Miracle Reduce Debt in Japan? Economic Review, 62(1), 44-56.
6. Kitao, S., & Mikoshiba, M. (2020). Females, the elderly, and also males: Demographic aging and macroeconomy in Japan. Journal of the Japanese and International Economies, 56, 101064.
7. McDaniel, C. (2011). Forces shaping hours worked in the OECD, 1960-2004. American Economic Journal: Macroeconomics, 3(4), 27-52.
8. Miyazawa, K., & Yamada, J. (2015). The growth strategy of Abenomics and fiscal consolidation. Journal of the Japanese and International Economies, 37, 82-99.

データ

[1] IMF, World Economic Outlook Database, October 2022,
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2022/October
[2] OECD, Pensions at a Glance 2021,
https://www.oecd.org/publications/oecd-pensions-at-a-glance-19991363.htm
[3] OECD, Revenue Statistics 2022,
https://www.oecd.org/tax/revenue-statistics-2522770x.htm
[4] Penn World Table version 10.01,
https://www.rug.nl/ggdc/productivity/pwt/
[5] Total Economy Database,
https://www.conference-board.org/data/economydatabase
[6] United Nations, World Population Prospects 2022,
https://population.un.org/wpp/
[7] 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
[8] 厚生労働省「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/20/index.html
[9] 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp_zenkoku2017.asp
[10] 財務省「貿易統計」
https://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm
[11] 総務省「人口推計」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/
(いずれも2023年2月21日に最終アクセス)

(注1)IMF, World Economic Outlook Database, October 2022のGeneral government gross debtの値。General government net debtの対GDP比も162.6%で世界的に見て高い水準にある。
(注2)Kitao and Mikoshiba(2020)は医療・介護保険制度をモデルに組み込んでいないため、他の研究よりも必要な税率は低めに推計されている。
(注3)中国やアメリカ、韓国、台湾、オーストラリアとの貿易が多く、その他は欧州や東南アジア、中東の国や地域となる。これらの30か国との貿易総額は日本の2005年以降の貿易総額の91.7%を占める。
(注4)現役世代の平均賃金に対し年金の受取額がどの程度の水準にあるかを示したもの。
(注5)İmrohoroğlu and Sudo(2011)等。

著者プロフィール

山田 潤司 (やまだ じゅんじ)

富山大学経済学部経済学科 准教授

東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。
富山大学講師を経て、2014年より現職。
専門分野はマクロ経済学、日本経済。
山田潤司「多世代重複モデルを使った財政の維持可能性の検証」フィナンシャル・レビュー 2021.1(2021):61-72.
Miyazawa, Kensuke, and Junji Yamada. “The growth strategy of Abenomics and fiscal consolidation.” Journal of the Japanese and International Economies 37 (2015): 82-99.