DBJスタートアップサポートセンター発足のご案内 株式会社日本政策投資銀行 スタートアップサポートセンター

2024年10-11月号

竹内 奈緒子 (たけうち なおこ)

株式会社日本政策投資銀行 スタートアップサポートセンター長

DBJスタートアップサポートセンターは、前身であるDBJ女性起業サポートセンター(以下、DBJ-WEC)を改組し、本年4月に発足しました。本稿ではDBJ-WECの取組みを振り返りつつ、改組に至った経緯及び今後の活動方針についてご報告いたします。
DBJ-WECは2011年の発足以来、「女性の起業活動により、経済・社会の活性化、構造改革を促す。」ことを目標に掲げ、2017年4月以降は一般財団法人日本経済研究所と連携して女性の起業活動を包括的に支援する活動を行ってまいりました。
中でも代表的な取組みとしては、女性経営者を対象としたビジネスプランコンペティションの企画・開催が挙げられます。2012年よりこれまで「DBJ女性新ビジネスプランコンペティション」を9回開催し、全国各地かつ幅広い年齢層の女性経営者から累計2,700超の事業プランをご応募頂きました。審査を経て選出したファイナリストに対しては、ビジネスプランの実現や成長・発展に向けた事後支援を実施しており、累計80名にのぼるファイナリストの中には、事業を軌道に乗せ、目覚ましく成長させている方々も多くみられます。
さて、日本政府が日本にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出し、第二の創業ブームを実現するため、2022年11月に「スタートアップ育成5か年計画」を決定しました。同計画では、「スタートアップは、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現するもの」とし、また「創業の『数』(開業数)のみではなく、創業したスタートアップの成長すなわち『規模の拡大』にも、同時に着目することが重要である」と記載されております。
DBJ-WECは幅広い活動により女性起業支援のフロントランナーとして取り組んでまいりました。しかし、同計画やスタートアップ関連施策、及び日本経済の展望を考慮しますと、今後はこれまで以上にシーズの事業化やスケールアップに焦点を当て、事後支援に注力する必要があると認識するに至りました。また、これは女性起業家に限らず、我が国スタートアップ共通の課題であると考えております。
そこで今般、対象を性別の制限を設けずスタートアップ全般に拡大し、スケールアップを見据えて、メンター機能を提供する「アクセラレーター」による支援を事後支援メニューに設けた「DBJスタートアップアクセラレーションアワード2024」(以下、DBJアワード)を開催することとし、それに先立ち、センター名を改称いたしました。
DBJアワードでは、最優秀賞受賞者の1名には、ニーズに応じて外部専門家の協力を得ながら、事業の成功に向けた伴走支援を受けて頂く権利が付与されます。またファイナリストには、各種アドバイスやビジネスマッチングの機会等を提供させて頂く予定です。
現在は募集期間を終え、多数の起業家にご応募頂きました。受賞者及びファイナリストを選定すべく、審査を進めているところです。
これからも、日本そして世界の課題解決に取り組むスタートアップを支えたい。変わらぬ想いを胸に、外部専門家、地域の方々とも密に連携させて頂き、一つでも多くの起業家の皆様の思いが実現できるよう、これまでのノウハウや知見も活かし、起業支援のフロントランナーとしての役割を担ってまいります。
引き続き皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

著者プロフィール

竹内 奈緒子 (たけうち なおこ)

株式会社日本政策投資銀行 スタートアップサポートセンター長